マレーシア出張時に最低限把握しておきたい文化事情

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マレーシアに出張に行くにあたり、知っておかなければならないのが文化の違いです。取引先として現地会社と関わることがある場合は、特に文化の違いによる独特の仕事環境を知っておかなければなりません。

画像出典元:写真AC

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マレーシアは人種のるつぼ

多民族国家マレーシア

出典:http://malaysiajp.com/image/500/DSCN6064.JPG

マレーシアは様々な民族で成り立つ多民族国家です。そのため会社で働く人々も、多様な人種が入り混じっていることが多いです。マレーシアにはマレー系、中華系、インド系の主に三民族が暮らしています。これらの民族の特性を知っておくことが、マレーシアで仕事をする上で重要になってきます。

①マレー系

マレーシア国内で大多数を占める人種です(約67%)。イスラム教の信者が大多数であり、1日5回の決まった礼拝の時間があるため、勤務時間内であろうとも1日に何回か席をあけることがあります。特に金曜日の昼の礼拝は特別にモスクで行うことが推奨されています。モスクまでの往復やお祈りの時間のために普段より昼休みを長くとります。穏やかな性格で、決して慌てたりしないので時間にはルーズです。納期に遅れそうな仕事があっても残業して終わらせる、ということは絶対にありません。また人前での叱責に対し激しく屈辱に感じるので気をつけなくてはなりません。

②中華系

国内で二番目に多い人種です(約21%)。価値観は一番日本人に近いと言えるかもしれません。概ね勤勉で、マレー系に比べると仕事熱心な人が多いです。親日な人も多く、宗教的なしがらみがなく食事が楽しめるため比較的付き合いやすい人が多いです。

③インド系

三番目に多い人種です(約7%)。食事や生活習慣に共通点が少なく、関わりにくいかもしれません。性格的にはとにかく明るくて陽気です。とても頭がよく英語が一番堪能です。IT系エンジニアや、医師・教師などの専門職についている人が多いです。

 

マレーシアは祝日が多い

ラマダン

出典:http://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1506/16/l_ay_ramadan01.jpg

三民族で成り立つ国のため、国の祝日は全ての民族の祭日に則っています。そのため、年間で祝祭日が多いのでビジネス出張の際はそれらを考慮する必要があります。またそれぞれの文化的な背景も理解しておきましょう。イスラム教徒が1カ月間断食を行うラマダンの時期は、日の出から日没まで飲食をしません。そのため個人差はありますが、マレー人は体力が落ちて仕事効率が落ちている場合が多いです。異教徒に断食を強制することはないのですが、そういった相手の宗教上の背景を理解して配慮しましょう。

また中華系マレー人はチャイニーズニューイヤーの時期には帰省して家族で集う習慣があるため、一週間以上は会社が休みになるので注意しましょう。

 

ビジネス出張には英語だけで問題なし

英会話

出典:http://precioustime.biz/english.png

ほとんどの人がビジネスの場面では英語を話します。とはいえ『マングリッシュ』と呼ばれるマレーシア特有の訛りや話し方があります。マレー語を英語に混ぜたり、語尾に「〜la」をつけたりする独特のアレンジをして話すことがありますので少し戸惑うかもしれません。また文法的にもいい加減であるので、欧米系の英語をしっかり話せる方のほうが逆にマレーシア人の英語を理解しにくいかもしれません。多民族な国なのでそれぞれの英語レベルに差があるため、相手が下手な英語を喋ってても汲み取ろうとする意識が強いので、英語が苦手な人にはありがたいかもしれません。使う単語レベルも難しくありません。

ちなみに都市部ではほとんど英語が通じますが、地方やローカル色の強いお店ではマレー語のみで英語は通じませんので、行くのであれば覚悟が必要です。

 

さいごに

様々な人種が存在し、宗教に関しても気を配ることが多い国ですが、自分を「外国人」として強く意識する必要がなく溶け込みやすい国です。適当な英語でも臆する必要はありません。ぞれぞれの民族・文化の特性を知り、うまくビジネスに活かしてみてください。

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