アメリカの鉄道で唯一ビジネス利用が多い「アセラ特急」とは?

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アメリカで鉄道の旅といったらアムトラック。正式名称は全米鉄道旅客公社(National Railroad Passenger Corporation)でアメリカの鉄道旅客輸送全体を運営する公共企業体になります。

アムトラックは目的地へ行く交通手段というより、移動の時間を楽しむための乗り物と考えられますが、このアムトラックが運行するボストン、ニューヨーク、ワシントンD.C.を結ぶ高速鉄道がアセラ特急(Acela Express)で2000年に運行開始されました。

 

アメリカ版新幹線アセラ特急

画像出典元:flickr

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アムトラックの主力路線としてアセラ特急は、「アメリカ北東部、ボストン⇔ワシントンD.C.間を所要時間約7時間(最高速度240Km/h)」、「ボストン⇔ニューヨークの区間は約3時間45分」、「ニューヨーク⇔ワシントンD.C.の区間は約3時間」で結ぶ特急列車です。

アムトラックは1日1往復、長距離で時間がかかる、遅延は当たり前のようなイメージですが、特にこのニューヨーク⇔ワシントンD.C.間だと1日10往復以上と運行頻度が高く、遅延もそれほどみられないため、ビジネスマンの利用が多くアメリカ版新幹線と言われています。飛行機でわずか1時間の距離ですが双方の都市の中心部をダイレクトに結んでいることから非常に人気もあり、飛行機から列車の移動へ流れも移りつつ、アメリカ北東部大都市圏の重要な移動手段となっています。

 

ビジネス客をターゲットにした車内設備

画像出典元:flickr

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アセラ特急はフランスの高速列車TGVの技術をベースにした車両が導入され、座席はファーストクラスとビジネスクラスのみで、他のアムトラックのコーチと呼ばれる一般席とは値段、サービス面で差をつけています。

従来より大きく腰や頭のクッションが効いた座席と移動時間にもミーティングができるよう広めのテーブルも備えられています。座席の前にはノートパソコンにちょうど良いテーブル、120ボルトのプラグ、読書灯、音楽サービス(2チャンネル)もあります。公衆無線LANも使用可能で車両には公衆電話も付いています。カフェカーも連結されており、アセラ特急特製のサンドイッチやコーヒーを立ったままカウンターで楽しむことができ、テレビを見ることもできます。

ファーストクラスでは、他のアムトラックの寝台車同様に食事と飲み物が運賃に含まれており、客室乗務員が座席まで軽食と飲み物を運んでくれるので飛行機と差はありません。また日本では見ないQuiet Car=静かにする車両があります。唇に指を当てているマークが付いている車両がこの車両です。つまり他の車両では座席での携帯電話の使用も可能ということでビジネス客の利用が多いことがわかります。

 

混雑が予想されるアセラ特急は予約が必要!

もちろん当日駅に行って空きがあれば乗車は可能ですが、チケットの予約は簡単です。アムトラック公式HP(https://www.amtrak.com)より予約ができます。インターネットで予約をした場合、折り返しメールでEチケットが送られてきますのでプリントアウトして持って行きます。プリントアウトできない場合、スマートフォンやタブレットパソコンで車掌に見せるだけでも大丈夫です。

または、アメリカ国内のトールフリーダイヤル(1-800)872-7245でも予約ができます。電話で予約をした場合、予約番号を聞かれるので控えるのを忘れずに。主要駅には自動チケット販売機でチケットを受け取ること(Quik-Trak)も可能ですが、慣れないとトラブルになる場合もあるので、駅の有人窓口でチケットを受け取ることをお勧めします。

お得な情報としてAAA(トリプルA)の割引もあり日本のJAF会員も同様の割引サービスが受けられます。利用日の3日前までにインターネットか電話でAAAレートで予約をすれば運賃が10%割引となり、当日、JAFの会員証の提示が必要です。

駅ではセキュリティチェックのため、公的機関が発行した写真付の身分証明書が必要です。パスポートはすぐ出せるように準備しておくと良いでしょう。 

 

さいごに

料金は日本と同じで目的地までの区間運賃とアセラ特急の特急料金です。ピーク時、オフピーク時、平日か週末か、時間帯によっても料金は変動制になります。飛行機のディスカウントチケットが多く出回っているアメリカでは、航空運賃より鉄道運賃の方が高いこともよくあることです。しかし、アメリカ北東部での移動で運悪く飛行機の全便欠航などに直面した時、空港から電話で予約をしてスマートにアセラ特急を利用するのも1つの手です。

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