タイで仕事をしたり、生活をする際にいつも何気なくしている所作や言動がタイ人にとって大変失礼に当たったり、不快な気持ちにさせてしまうことがいくつかあります。今回は基本編として3つご紹介します。
タイでよく見かける合掌(ワイ)について
タイではワイと言って丁寧に合掌をする挨拶があります。飛行機の中、商業施設、テレビなどいたるところで見受けられ、もちろんビジネスシーンでも行われます。このワイにはルールがあるので、渡タイ前に知っておくとよいでしょう。まず、ワイは目下から目上の方に行うものです。タイでは年功序列が重んじられているため、目上から目下に対し先にワイをするのは結果的になめられてしまいますので気をつけましょう。
首元が隠れる程度の高さで合掌(ワイ)は行われ、ワイを受けた目上の人は答礼といって、胸のあたりで軽く合掌するワイを返すのが礼儀です。ワイをされて何も返さないのは失礼に当たりますので注意しましょう。ただし、商業施設などで店員からワイを受けた場合は、答礼をする必要は特になく、微笑むか軽い会釈を返す程度で構いません。この場合、丁寧なワイを返すのは滑稽な光景となってしまいます。
ワイと共に「サワッディー」という挨拶もされます。朝昼晩関係なく一日を通して使える挨拶で、語尾に男性は「カップ」、女性は「カー」とつけます。こちらも是非覚えておいて下さい。
タイでは足の所作に気を配る必要あり!
タイ人にとって足の裏は身体の中でもっとも不浄な場所とされており、所作には注意を払う必要があります。座っている時などに人に足を向けたり、足で物を指す、物を動かすなどの行為は大変失礼に当たります。足で人や物を指すことはタイ人の激しい怒りを引き起こし、大きなトラブルに発展することもあるので十分注意します。
他人の足をまたぐのも失礼な行為とされているため、公共の乗り物や劇場などで狭い中をどうしても通らなければならない場合は、必ず一声かけて足をずらしてもらいます。また、足と同じように左手もトイレで使う手として不浄な部分と認識されており、タイ人は左手で人を指差しすることはまずありません。握手や人に物を渡す時など意識していないとふいに左手を使ってしまいそうですが、左手は不浄な部分と念頭に置いて、使わないよう気をつけましょう。
タイ人を人前で叱ってはいけません!
タイ人はとてもプライドが高く、人前で叱責されることを極端に嫌います。日本の社会では特別なことではないことも、タイでは非常に嫌がられます。ビジネスの世界では、叱ったことですぐに辞職してしまったり、タイ人の同僚全員に反感を買い、全員に仕事をボイコットされるような事態にもなりかねません。
では、注意が必要な時はどうしたらよいのでしょうか。それはタイ人を注意する時は場所を変え、二人だけの環境下で叱責すると言うよりやんわりと優しく諭し、励ますようなやり方で行うのが理想です。失望させ、恥ずべきことと反省させる叱責より、やんわりと反省を促しつつ君の存在が必要、そして期待していると励ます方向で指導するほうがうまくいきます。
タイ人と日本人との間に大きな文化の差があるため、失敗して叱られることを嫌うなんてとんでもない!と日本人目線で考えるのは危険です。
さいごに
ところ変われば文化もマナーも全く違います。ビジネスの世界でも同じことが言え、タイ人にとって失礼な態度をとってしまうと信用も仕事も失うことにもなってしまいます。
「郷に入れば郷に従え」の気持ちを持ち、スムーズに仕事が進められるよう気配りを忘れないようにするとよいでしょう。