タイに出張となり、タイ人と働くとなった際に、気になるのは、タイ人のビジネス習慣です。
今回は、日本とは異なる独特のビジネス文化を紹介します。
タイ人の名前を呼ぶ時は、ニックネームで呼ぶ。
日本のビジネスの場において、誰かの名前を呼ぶ時は、苗字に「さん」付で呼びます。
しかし、タイでは、ビジネスにおいても、ニックネームで名前を呼びます。なぜなら、タイ人が生まれた時から持っている名前が長く、覚えることが大変だからです。
タイ人との自己紹介の際は、名刺を見て、名前を呼ぶのではなく、「どのように呼べばいいですか」と一言尋ねましょう。 向こうから、「この名前で呼んでください」と教えてくれるはずです。その上で相手が年上の場合は、「様」の意味を表す「クン」か「さん」の意味を表す「ピー」をつけます。
例えば、名前が、「ナン」と言う場合は、「クン ナン」(ナン 様)、「ピー ナン」(ナンさん)となります。 正しい呼び方を用いることで、タイ人との良好な関係を築くことができます。
国王や仏教に対して、敬意を払う。
タイ人社会において、国王や仏教は、重要な存在です。国民は国王を尊敬し、国王や王室を批判することは許されません。 タイの街中や社内でも、国王や王妃の写真は至る所に飾られています。
そのため、社内での会話、タイ人との商談の場において、国や国王をからかう、批判する等の言動をした場合には、タイ人からの信頼を失うことになり、仕事がうまく進まない、場合によっては仕事ができなくなる等の重大な結果を招きます。
一方で、国王や仏教に敬意を払うことによって、タイ人との関係を深化させることができます。例えば、車で寺院の近くを通る時に、両手の平を合わせる行為をするといいでしょう。 この行為をタイでは「ワイ」と言い、相手を尊重する気持ちを表す、伝統的な挨拶の方法です。
人対人の関係を築いて、仕事に活かす。
日本人は、上司や同僚との人間関係が良好でなくても、仕事は仕事と割り切ることができます。
しかし、タイ人は良好な人間関係があってこその仕事、と考えています。 そのため、実際の仕事や商談の場以外で、どのような関係を築くかが重要となります。具体的には、ランチやディナーを共にし、友人として、家族、趣味等、仕事に関係のない話をするといいでしょう。 相手の話に耳を傾けることで、信頼感が生まれ、仕事の進み方も変わります。
加えて、タイ人はプライドが高く、「面目を失う」ということを常に意識します。例えば、人前で叱られるを嫌います。日本人間では、会議の場で、できの悪い部下に注意をすることはよくあるでしょう。タイ人の場合、このような方法は逆効果になるため、個別に呼び出して、優しく注意するようにしましょう。 また、仕事のためではなく、あなたのために注意しているという姿勢を示すことも相手の理解を促すために重要です。
さいごに
郷に入っては、郷に従え。
出張という短期間でも、これらのポイントを理解して、タイ人と気持ち良く仕事をしましょう。