もう買い物には困らない、多彩な上海のショッピングセンター

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1990年代前半、上海には近代的な大型小売店は1つもありませんでした。浦東に至っては半農半漁の田舎かにしか過ぎません。上海の現代商業は、地下鉄同様に、ごく浅い歴史しか持っていません。本日は、上海のスーパーマーケットの歴史をご紹介します。

 

上海現代商業の略史

画像出典元:SHANGHAI navi

画像出典元:SHANGHAI navi

20世紀中に上海にインパクトを与えた大型物件が2つありました。古北カラフールと浦東の上海第一ヤオハンです。

古北カラフールは、高級住宅地として発展する古北を象徴する存在となり、カラフール全社で世界ナンバーワンの売上を記録しました。ヤオハンは1995年のオープン日、100万人の集客したことで話題となりました。今はいずれも二線級に退いていますが、この2店の成功は各社の出店意欲を刺激し、上海商業の発展に大きく貢献しました。

次の画期となったのは2009年です。リーマンショック後の緊急財政出動によって、不動産開発に火が付き、ショッピングセンター開発ブームを起こしました。ユニクロや無印良品などは、この波に乗って中国での地歩を固めていきます。その開発ブームの中心は上海でした。超大型SCが続々とオープン、ここ3年で上海の商業地図はまるで一変しています。

 

日本と変わらなくなった上海の物価

今の上海では、たいていの商品が揃い、短期出張者はもちろん、長期出張者や駐在者でも生活に困ることはあまりなくなっています。

ビールなどの飲料は安く手に入ります。野菜や果物も概ね安価です。日本食品は高額ですから、よほどのこだわりの一品以外は、あまり買うことはないでしょう。例えばサッポロ一番のラーメン5袋入りが1500円近くで売られています。

ユニクロや無印良品のショップは大型SCを中心にたくさんあります。急に暑くなったので、短パンやTシャツを買おうと思っても、値札を見ると日本価格の1.5倍から2倍です。購入意欲は見る間に減退します。中国の高度経済はインフレを伴っていない、と言われましたが消費者物価は着実に上がっています。

交通費や野菜果物など一部の食品を除き、日本と変わらない感覚です。日用品では日本の方が明らかにお値打ちです。これが爆買いの原因を作っています。

 

空き時間にはSC巡りでも

したがって上海で買うものは次第になくなって来ました。かつて一世を風靡した偽DVD、CD屋は時代にそぐわなくなり、消えて行きました。偽ブランド品も以前ほど面白がる人は少なくなっています。

そこで時間のできた出張者には、SC巡りをおすすめします。南京東路の大丸、古北の高島屋、金虹橋のアピタなど、近年開店した日系の奮闘ぶりを見て回るのも面白いでしょうし、五角場や金沙江路にある巨大モールを見るのも悪くありません。近郊に多い台湾系スーパー「大潤発」などを覗けば、より庶民の暮らしが垣間見えることでしょう。中国景気の分析や、商売のヒントにも役立ちそうです。

巨大モールでは地下鉄3、4号線と13号線が交差する金沙路駅前にある「環球港」が交通至便です。32万㎡という巨大さで、売場面積を持て余している感がつよく、今の中国を象徴しているようにも見えます。

 

さいごに

日系の小売業は進出と撤退を繰り返しながら、上海と強く絡みあってきました。出張者にみなさんも、これらの栄枯盛衰には、きっといろいろな感慨を持たれることでしょう。やはり上海はアジアの未来を見通すには最適なところのように思います。

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