アメリカの正式国名はアメリカ合衆国「United States of America」で、ハワイやアラスカを含む50州から成る連邦共和国です。国旗の50の星は現在の州の数、13本のストライプは1776年建国当時の州の数を表しています。
首都はワシントン特別行政区(Washington,District of Columbia)で、全米どの州にも属さない連邦政府直轄の行政地区ですが、経済の中心は東部のニューヨーク市にあります。言語は主に英語が使われますが、多人種、多宗教の為、そのコミュニティによって多くの言語が使われています。
祝祭日、税金、法律は州ごとに異なる為、出発前には主要都市の観光局やインターネットなどを活用して最新情報を収集されることをお勧めしますが、こちらでは基本的なアメリカの情報をお知らせします。
時差とサマータイム・気候について
国土が広いアメリカ本土には同じ国内でも時差があります。ロサンゼルスなど「太平洋時間(Pacific Time Zone)」は日本時間のマイナス17時間、デンバーなど「山岳部時間(Mountain Time Zone)」はマイナス16時間、シカゴなど「中部時間(Central Time Zone)」はマイナス15時間、ニューヨークなど「東部時間(Eastern Time Zone)」はマイナス14時間と4つの時間帯があります。
またサマータイムを採用している州がほとんどで、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは1時間時計の針を進め日本との時差は1時間短くなります。日本との移動日にあたる場合や、特に国内の移動などスケジュールをたてる時は気をつけることです。なお、アリゾナ州とハワイ州はサマータイムを採用していません。訪れる場所によって気候もさまざまです。
シアトル、ポートランドなど「西海岸北部」の夏は気候が安定しており、秋から春にかけては雨や曇りが続き雪がちらつくこともあります。ロサンゼルス、サンフランシスコなど「西海岸南部」は温暖な気候で1,2月は比較的雨が降りますが1年を通して大雨になることはほとんどありません。日中は比較的過ごしやすいのですが、日が暮れると急激に温度が下がります。
ラスベガス、フェニックスなど「西部の内陸」は高温で空気が乾燥しており、夏は日差しが強く40℃を超えるかなりの暑さとなりますが、夜は急激に冷え込みます。デンバー、カンザスシティなど「ロッキー山脈の東部」は大陸性の乾燥した気候で雨は少ないです。4~6月は竜巻が多発し、特にカンザス州やオクラホマ州は注意が必要です。
ニューヨーク、シカゴなど「五大湖から北東部」の12~2月には積雪もあり冬は特に厳しい気候です。6~9月初旬は30℃を超える日もありますが、雨も少なく過ごしやすいシーズンです。アトランタ、ニューオリンズなど「南東部とフロリダ中・北部」は日本と同じ四季がはっきりしていますが、南部の夏は蒸し暑くジトッとした日が続きます。夏から秋にかけてはハリケーンの襲来もあり注意が必要です。
マイアミ、キーウエストなど「フロリダ南部」の冬は暖かく気候が安定していますが、5~10月は雨季のため短期集中的に大雨が降るスコールに注意が必要です。また夏から秋には「南東部とフロリダ中・北部」と同様、ハリケーンの心配があります。
このように地域ごとに例を挙げましたが、出発前に目的地の最新情報を確認して服装や持ち物を準備すると良いでしょう。
通貨単位・チップ・税金について
アメリカで使われている通貨の単位は、$(ドル)と¢(セント)の2つで$1が100¢です。紙幣は$1、$2、$5、$10、$20、$50、$100、硬貨は1¢(ペニー)、5¢(ニッケル)、10¢(ダイム)、25¢(クオーター)、50¢(ハーフダラー)、$1(ダラーコイン)の種類があります。
$2紙幣、50¢、$1硬貨は流通頻度が低く、ほとんど見かけることがありません。以前は$10000までの高額紙幣がありましたが、現在は$50、$100紙幣が高額紙幣とされクレジットカードの普及により小さな店などではお釣りが無いと言われ扱わないこともあり、$100紙幣を出すと目の前で透かしを確認されることもあります。
中でも$1紙幣(チップなど)と25¢硬貨(コインパーキングや自動販売機など)は良く使うので多めに手元にあった方が慌てず安心です。アメリカではサービスを受けたらチップを渡す習慣があり、慣れない日本人は頭を悩ますことが多いと思われますがだいたいで良いのです。額は特別なことを頼んだ場合や満足度によって異なりますが、きっちり計算しなくても支払額の10~20%が目安です。
例えばサービス料を含まないレストランでは飲食代の15~20%、タクシーは料金の10~15%、大きな荷物をトランクに入れてもらったら個数や大きさによって$1~2渡します。ホテルでは、ベルマンやドアマンに荷物を持ってもらったら個数や大きさによって$1~2程度、ルームメイドに1泊$1ベッドサイドのテーブルに置いておく(最終日は置かなくてもOK!)、タオルや毛布など持ってきてもらった時$1渡す、コンシェルジュに予約が取りにくいレストランの予約を取ってもらった時など難易度によって$10、$20、$30、ルームサービスで食事を頼み持ってきてもらったらサービス料が含まれていても運んでくれた人に$2程度渡します。
その他にもチップを渡すシーンはありますが1¢硬貨をチップに入れるのは相手に対して失礼とされているので端数は繰り上げて最低でも50¢(25¢硬貨2枚でOK!)を、$1紙幣なら何枚か折ってすぐ出せるようにしておき、握手をするように渡すとスマートです。
またアメリカでは州や市によって異なるセールスTaxとホテルTaxがあり、レストランで食事をした場合はダイニングTax、ないところはセールスTaxがかかります。つまり、レストランで食事をすると飲食代+Tax+チップで結構な食事代になります。
なお、オレゴン州、モンタナ州、ニューハンプシャー州はセールスTaxはありません。ルイジアナ州とテキサス州では海外からの観光客に対して税金の払い戻し制度があります。出発前に自分の目的地について調べておくと良いでしょう。
郵便・電話・インターネットについて
観光旅行と違ってビジネスでアメリカへ行った時は、現地から手紙を出すことはあまりなくても荷物を送ることはあるはずです。購入した商品やサンプル、パンフレットなどの印刷物、定額制の小包や大きな郵便局なら梱包用の箱や大きな封筒を販売しているのでペンとテープがあればその場で荷造りができます。
大都市には日本の大手宅配業者の支店から国際宅配便で大きな荷物を送ることができます。別送品がある場合は税関申告書の記入が必要になりますので覚えておくことです。海外へ出張の時は勤務先でレンタル携帯電話を持たせてくれるか、日本で使っている携帯電話をそのまま海外で利用するという方法もあります。
またアメリカにもありますが、日本の空港などで販売している決まった料金分利用できるプリペイドカードを1枚持っていると公衆電話からも簡単に使え携帯電話が使えない時には大変便利です。お勧めできないのはホテルの部屋からの電話で、手数料がかかりトールフリーの番号でも、相手につながらなくても手数料を取られます。ただモーテルの部屋の電話は、市内通話無料というサービスが多いのでビジネスの相手が宿泊しているモーテルが市内であれば、お得です。
現在は、急を要する連絡でなければ時差もあり日本とはインターネットのE-mailでやり取りするのが一般的で、街中の無料のWi-Fiの場所も多く見つけられます。ほとんどのホテルの部屋では有線LANか無線LANで接続することができます。大きなホテルはほとんど有料で料金を先に払ってホテル専用の回線につなぎパスワードを入力して使い、中級ホテルやモーテルなどは無料の場合が多いです。また、大きなホテルにはビジネスセンターがあり、料金はかかりますがパソコンを使うことができます。ちなみにノートパソコンは和製英語でアメリカなど英語圏では「ラップトップ(Laptop)」と言います。
アメリカのプラグはHタイプの3つ穴で電圧は120ボルトです。2つ穴プラグ110ボルトの日本製品を使うことはできますが長時間の使用は注意が必要です。日本から持参するパソコンやデジカメなどの定格・仕様を確認して240ボルトまで対応できる製品であれば電圧変圧器を準備する必要はありません。
さいごに
「自分の身は自分で守る」快適な滞在をするため、アメリカと日本は違う国だということを常に意識して行動してください。ちょっとしたことでトラブルに巻き込まれ、ビジネスに影響を及ぼす場合もあります。
アメリカでは、警察・救急車・消防署の緊急連絡先は全て911です。お世話になりたくないけれど犯罪に巻き込まれたり、交通事故に遭ってしまったり、そんな時は必ず利用する番号です。アメリカの滞在に慣れ始めたころに、うっかり注意力が落ちる時があるので気をつけてください。