上海の地下鉄、虹橋から2号線に乗ってみよう

Pocket

上海の地下鉄の歴史は1993年までしか遡れません。東京に引けをとらない路線網になりましたが、1927年発祥の東京とは、歴史は決定的に異なります。

多路線化したのは、実際にはここ10年のことに過ぎません。

上海地下鉄とビジネス

画像出典元:How Travel

画像出典元:How Travel

出張者が最も利用するのは2号線で間違い無いでしょう。虹橋空港と浦東空港を結ぶ東西方向の幹線で、常に混雑している上海地下鉄のドル箱路線です。

部分開通したのは2000年でした。しかしひっそりと知らぬ間に開通していた、という感じで、出張者などビジネス関係者には、話題にも上りませんでした。

様相が変わって来たのは3号線、後に環状線となる4号線が姿を表してきた2003年ころからです。かなりの重要地区をカバーするようになり、ビジネスの移動にも使えるようになってきます。次のエポックメーキングは2010年、虹橋空港第2ターミナルと新幹線紅橋駅と、地下鉄2号線、新しい10号線とが繋がったことでした。

これで虹橋空港・新幹線駅から、市内のどこへでも行くことが可能になり、地下鉄網は一応の完成を見ます。縦横に使いこなせるようになったのです。

 

虹橋から地下鉄に乗って市内へ

画像出典元:C-STUDY

画像出典元:C-STUDY

その虹橋空港から地下鉄に乗ってみましょう。到着ロビーからエレベーター、またはエスカレーターで地下1階へ向かいます。上海交通カードのない人は自動販売機でキップを購入しなければなりません。市内中心部までは大体4元ですが、まじめに自分の降車駅を画面で探そうとすると、路線が多く少々時間がかかります。

キップは使い回しのカード式です。改札口は2号線と10号線に分かれています。間違えないようにしましょう。2号線は緑、10号線は紫がシンボルカラーです。

改札の前に飛行機同様、X線荷物検査を受けます。次に向かう改札口には大きな問題があります。回転式バーを押し下げて入る方式ですが、大きな荷物、例えば大型のキャリーケースなどはうまく通過できません。機内持ち込み可の小型なら一工夫すれば通りますが、中型・大型は苦戦を強いられます。

 

地下鉄車内にて

画像出典元:中国クルーズ

画像出典元:中国クルーズ

つまり地下鉄を使うのは、軽い荷物で1~2泊の短期地方出張から1人で上海へ帰ってきた人のイメージです。 2人以上、または大きなキャリーケースをお持ちのなら、タクシーの方が無難です。なお終日混雑している2号線では、まず座席の確保はできません。 ただし車内では現代中国の縮図が見られ、あまり退屈することはありません。まずほとんどの乗客、とくに若者は全員スマホ画面に見入っています。また窓外のトンネルには走行中に広告が表示されます。広告主はおそらく最先端の企業と思われます。現代中国を皮膚感覚で捉えることができます。

これらとは別に少し気になることは、乗客のお行儀が悪いことです。中国人は市内バスでは、老人や小さな子供連れに、気軽に席を譲ります。このマナーは日本以上です。ところが地下鉄では、空いた座席空間に、我さきにと突っ込んで行きます。乗車文化が異なっています。

 

さいごに

老人や子供にとって、地下鉄はあまり快適な空間ではなさそうです。こういうところに歴史の浅さを感じます。とはいえここにはタクシーでは得られない大都会の息吹があります。 仕事に役立つヒントを得られるかも知れません。一つ一つチャレンジしつつ地下鉄を使いこなしていきましょう。

Pocket